不死身の漢 ~映画・その他ブログ~

ブログ復活しました。主に映画・アニメ・ゲームの雑記、レビューをしていくつもりです。

 小島秀夫の「繋がり」、『デス・ストランディング』に思うこと。

 

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 『デス・ストランディング』のテーマは「繋がり」だという。トレーラーの中で、「人は孤立する生き物じゃない、寄り添ってお互いを補う生き物だから」という台詞も語られる。

 最初にこのテーマを聞いた時は、“クサイ“というのが正直な感想だった。だが同時に、これは小島秀夫が言うと非常に説得力があるとも思った。そのことについて、ここでは思ったことを思いつくまま書き散らしたい。

 

 

 

「小島秀夫」というブランド

 

 『デス・ストランディング』のキャストは凄すぎる。

 

 ノーマン・リーダス、マッツ・ミケルセン、リア・セドゥ、リンゼイ・ワグナー、ギレルモ・デルトロ、ニコラス・ウィンディング・レフン・・・

  ゲームにハリウッドスターがCGで出演なんて今や珍しくないが、『デス・ストランディング』はハリウッド大作並みの国際的キャストが勢ぞろい・・・どころではない!映画ファンに熱狂的に支持される映画監督までもが特別出演している、それも二人。そんなことがありうるのか? それも映画ではなくインディーゲーム(小島監督はそう主張している)の作品でだ。

 これはもう、「小島秀夫」というブランドによって集めることができたキャストであるのは間違いない。ブランドとはつまり「信用」だ。『デス・ストランディング』の常識を超えたスタッフ・キャストは、まさに小島秀夫に対する信用によって実現している。

 マッツ・ミケルセンやノーマン・リーダスの起用は、特別出演しているデルトロとレフンという二人の映画監督が後押しをしている。彼らと小島監督の友情関係があればこそだ。レフンのTVシリーズである『トゥー・オールド・トゥー・ダイ・ヤング』のほうには、逆に小島秀夫が特別出演してる。

 小島秀夫は映画監督からも好かれやすい、かつて『メタルギアソリッド』の元ネタとなった『ニューヨーク1997』の権利元から訴えられそうになった時に、監督であるジョン・カーペンターが擁護してそれを阻止している。

 

理由は「小島秀夫がナイスガイだから」

 

 小島秀夫はカーペンターとは直接会ってはいないそうが、手紙での交流はあったらしい。かなり愛をこもった手紙をカーペンターに送っていたのは想像に難しくない。しかも、そのカーペンターは『MGS3サブシスタンス』の際に推薦文まで書いている。

https://www.cinematoday.jp/news/N0077840 

ここまで来ると国際的な「映画監督」として見られていると考えていいのかもしれない。

『オールド・ボーイ』などを監督した映画監督のパク・チャヌクは『MGS5』にこうコメントを寄せている。

 

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『私はずっと小島さんが監督した映画を観たいと思っていました。

しかし『METAL GEAR SOLID V』の最新トレーラーを観て、私が間違っていたと確信しました。

小島さんはすでに彼のやり方で映画を作っていたんです』

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 完全にその通りだろう。小島秀夫は子供の頃は映画監督が夢だったというが、今はゲームで映画を作ってる。(CGが進化したことで俳優の顔をリアルにモデリングできる今は、むしろ映画よりも自由度が高いのかもしれない)

 日本人の中で今、世界の映画界に最も影響力を持っているのは小島秀夫かもしれない。ゲーム監督なのに。

 

 

なぜ熱狂的に支持されるのか?

 だが小島秀夫の作品は必ずしも完ぺきとは言えない。いやむしろ失敗が多かった印象さえある。『メタルギアソリッド』の一作目は世界的に成功したが、2作目と4作目は賛否両論だったし、『4』に関しては小島秀夫自身が失敗だと認めている。最も物議を醸した現時点でのシリーズ最終作『MGS5』は未完成で発売したのでは?という疑惑を持たれた。「小島秀夫の作品はムービーが長すぎる」「説教くさすぎる」「ストーリーがデタラメ」という批判も恒例だ。ハッキリ言って、これらの批判は全て的を得ている。(だから良いという部分もある)ゲームとしても、ストーリーとしても欠点が目に付く。

 ゲームとして考えれば、『メタルギア』よりも面白く、ストーリーも素晴らしい、世界的にも評価されている日本のゲームはいくらでもある。

 

 それでも、小島秀夫は熱狂的に支持される。

 

『DEATH STRANDING』発売直前!メディア討論会

9分頃から、「なぜ小島監督は熱狂的に支持されるのか?」という話題になる。

 

 小島秀夫自身が熱烈な映画ファン、オタクであり、作品の中があらゆる映画、文学、漫画からの引用によって作られていること、そして小島秀夫が制作、監督、脚本、編集、(ついでに予告編まで自分で編集)を務めて、完全に「小島秀夫の作品」を作り上げるということ。その圧倒的な熱意、仕事量、それが尊敬を集める理由だろう。(そのためか、よくタランティーノと比較される)

 会社を辞めてフリーになっても、「新作を作る」と言うだけで、昔から仕事しているスタッフは勿論だが、世界中からこれだけのスタッフ・キャストが集まってくる。これまで交流した映画監督や、小島秀夫に憧れるゲームクリエイターがこぞって彼を支援しようと集結する。

 そして小島秀夫自身も、呼ばれればどこにでも行く。最近ではRemedy新作『CONTROL』に声で出演。ゲームのパロディ動画をユーチューブで配信しているMEGA64の動画にも、自ら出演した。https://www.gamespark.jp/article/2019/08/29/92533.html

 これまでで小島秀夫が作り上げた「繋がり」がどれほど強いのか。孤独な人間では到底不可能だ。

単に「小島秀夫の作品が優れていて、世界的に評価されている」というだけではないだろう。小島秀夫の人間性の高さが、人を引き寄せ、結び付けている。それはもう、論評、ツイッター、インタビューでの発言を見ているだけでも分かる。

 

繋がりを大切にすること

 ここからは完全に僕の個人的な考えになるので、興味が無い人は飛ばしてほしいが、

 小島秀夫は明らかに今の社会や、ゲームや、映画に対して怒りを持ってるし、個人的な孤独や悩みも抱えている。それは彼の作るゲームで描かれる物語を見ればわかる。だがあれだけ積極的に外で活動し、リアルでもネットでも積極的に発言しているにも関わらず、決して問題になるような言動は起こしていない。人を喜ばせたり、楽しませたり、自分が大好きな映画や音楽を紹介することに専念しているように思う。

 所謂「心無い発言」ということを彼はしてこなかった。

 それは、自分が会社や、多くの仲間を背負っている責任、ということもあるだろうし、自分の言葉によって傷つく他人に対する配慮もあるかもしれない。だから所謂「本音」の多くを小島秀夫は語っていないだろう。しかし、彼は決して人との間に「壁」を作らない。積極的に外に出て、人と交流し、「繋がり」を作り続けている。

 

 これは言うだけなら簡単だが、実際にはどれだけ難しいことのか?

 

 多くの人間が感情のまま口を滑らせてネットを炎上させることは、もう日常化している。SNSでいくらでも「本音」を言える時代になった。トップの政治家でさえSNSで好き放題に発言し、世界を分断さえさせる。多くの人がインフルエンサーとして自分の発言を広めたいと思っている。SNSでは感情に任せて本音を言うが、現実の生活では本音を隠して人との間に「壁」を作って暮らす者もいる。人とのつながりを持ちたくて他人に対して何かを書き込むが、無視されたり拒絶されたりして、そのまま“荒らし”になっていく人もいる。中には、「本音」を言うことを諦め、他人との「繋がり」も諦める人もいる。

 今の時代、感情のまま「本音」を言うことを我慢し、しかし人との間に「壁」は作らず、誰との間でも「繋がり」を作っていくことはどれほど難しいことなのか? (ネットの存在と関係なく、ずっと昔から難しいことだっただろう)

デス・ストランディングのテーマには、SNS時代への警告も含まれているという。

小島秀夫はインタビューでこう語っている

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「オンラインって、世界中の人が直接的につながりますよね。それで、匿名なのをいいことに、他人を心ない言葉で傷つけても何とも思わない人たちがいる。ゲームにしても、ネットにつながって何をするのかというと、銃で撃ち合ったりしているわけです。テクノロジーの進化によって世界中がリアルタイムでつながっているのに、何でそんなことばっかりしてんの…」

https://www.famitsu.com/news/201910/09184726.html

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 まさに小島秀夫自身は、そういうことを日常的に気を付けながら、世界中の人々と交流を続けてきたようだ。そして今や、小島秀夫に悪い印象を持つ人間はほとんどいない。作品に賛否はあっても、「小島秀夫はナイスガイ」と世界中の人間が思っている。

彼は、単なる「熱狂的な映画・アニメオタクの日本人ゲーム監督」というだけではなく、世界的な器を持つクリエーターなのだ。

 

 ここで最初の話に戻るが…だからこそ「繋がり」というテーマを小島秀夫が語ることにはとてつもない説得力がある。

 ネットでもリアルでも、人種や国籍を超えて繋がりを作ってきた小島秀夫だからこそ。

 

 

別のデススト考察はこちら⇓

 

 

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